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  • 執筆者の写真一宇ichiu

不思議な体験ー4

静寂とは


その体験から一週間後、また公案が出されました。次は「静寂とは」という公案です。

これもなんとなくわかります。自分の内面のことを言ってるのでしょう。先程の無と通じるものがあるのかもしれません。自分のイメージとしては、鏡のように静まり返った夜の池の水面のイメージです。心が一切波打っていない状態のイメージはあるのですが、体験したことがありません。一度は体験したいものです。


また先程のインドの聖人の本を買ってきて、読んでは考え、読んでは考えの繰り返しです。また3ヶ月ほどの格闘が続きます。その本には、インドの方であるにもかかわらず、松尾芭蕉の句を詳しく解説してあります。

「古池や蛙飛び込む水の音」の有名な句です。夜の森の中の鏡のように静まりかえった水面に、蛙がチャポンと飛び込む。その波紋が静かに広がっていく。そして、またしばらくすると鏡のように静まりかえる水面。チャポンが逆に静けさを際立たせる。私がイメージしていた感覚とピタリ一致するのですが、やはり解りません。


いつものベンチで、何度も瞑想を試みます。しかし、静寂を得ようと思えば思うほど、私の中の水面は波打つのです。 3ヶ月頑張っても、波は収まりません。

収まらない自分に嫌気がさしました。「自分には無理なんだなぁ。仮に出家して修行してもても、一生かけても訪れない境地なのかもしれない。こんな自分が数ヶ月頑張ったところで、たどり着ける境地では無いんだろうな」と諦めた瞬間、静寂の中にストンと入り込んだんです。本当に、心の中のにストンと入り込んだ感じです。


続く




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