前回の続きです
その中の一つが、「人生の法則 第一巻」で紹介しました「無」を教えてくれたフクロウとの対面です。いつものように山に行くと、ふと「無とはなんだ」という言葉が入ってきました。入ってきたというよりも、自分の奥底から湧き上がってきたような感覚です。「ええ? 無って? 確かになんだろ? なんとなくはわかるけど・・・。」そこから約3ヶ月間の格闘が始まりました。
今考えると、ある存在から禅で言う「公案」を出されていたようです。公案とは師匠が弟子に出す問題です。禅問答です。
インドの聖人と言われる方が書いた「無」に関する本を買い、その難解な内容と3ヶ月間格闘することになりました。その本の内容はとても難解で、2行読めば2分考える、3行読めば3分考える…。そんな感じの繰り返しで、遅々として進みません。しかしそれが、とても心地よくもありました。一冊の本を読むのに3ヶ月もかかってしまいました。
しかし、本を読んでも「無」の意味がわかるものではありません。本も終盤に差し掛かった頃、いつものベンチに座り本を読みかけた時に、私の足元の地上30センチほどのところを、茶色い鳥が滑るように飛んでいったのです。そして、10メートルほど先にある、人がうずくまった位の大きさの石の上に止まって、こっちを見ました。
フクロウです。野生のフクロウが真っ昼間にこちらをじっと見ているのです。
普通考えられませんよね。一生のうちにも、まずこんなことはないだろうと、半分混乱しながら、フクロウを見ていました。これは何か特別なメッセージがあるのかもしれない。何かを教えに来てくれたのかもしれない。そう思い、会話を試みますが、何も解りません。5分ほどにらめっこ状態です。
しかし、結局何もわからないまま、諦めて本に目を落としました。そうすると、下の方から犬を連れたおじさんがやってきました。
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